【F1】最終戦ブラジルGP SUPER AGURI
SUPER AGURI F1チームは、現地時間(以下、現地時間)20日、ブラジル・サンパウロ郊外のアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ(1周4.309km)で開幕したF1最終戦ブラジルGP(10月22日決勝)初日を佐藤琢磨21番手、山本左近29番手、サードドライバーのフランク・モンタニーが8番手で終えた。

 チームにとって最重点レースとなった前戦日本GPでは、ファンの声援を一身に受けた佐藤琢磨が15位、山本左近が17位と悲願のダブル入賞を果たしたSUPER AGURI F1チーム。鈴木代表はこの結果を「ただ出場しているだけではなく、戦えるチームに成長したということを証明することができた。日本でのこの素晴らしい結果の勢いをブラジルまで継続して、再びいいレースを展開したいと思う。僕たちの初めてのシーズンを最後まで応援してきてくれたみんなに感謝したい」と語った。

 中東・バーレーンで今年3月に開幕したF1は、約8ヶ月に渡って世界各国を転戦し、いよいよ最終戦の地、南米ブラジルでのレースを迎える。前日までの雨も上がり、生憎の曇り空ながらドライコンディションでの走行となった初日は、午前・午後2回のフリー走行が行なわれ、SUPER AGURI F1チームはサードドライバーのF.モンタニーがトップから1.245秒差の8番手のタイムを記録し、チームを勇気づける結果をもたらした。

 このグランプリを前に来季はサードドライバーとしてトヨタに移籍することを発表したF.モンタニーは、「SUPER AGURIでの最後の日となるきょうは、僕にとって特別な日だ。最終セッションのマシンには満足だったし、8番手でセッションを終えることができた。皆が僕にとても良くしてくれたから、今は少し悲しいね。僕がこのチームで素晴らしい時間を過ごすことができたのは、彼らや鈴木代表のおかげだと思うし、みんなに感謝したい」と感慨深く語っている。

 最終戦を迎えるにあたり「さまざまな思いが交錯している。あっという間にシーズンが過ぎ去ってしまった気もするし、長かったような気もする。ファンタスティックだった中国と日本のダブルヘッダーに引き続き、チームのモチベーションは高い。もちろん、日本は一番重要なレースだったが、シーズン最終戦のブラジルでいいフィニッシュを飾ることも僕たちにとってはとても重要なことだ」と語った佐藤琢磨は、初日トラブルフリーで過ごし、午前・午後のフリー走行でトータル43周を消化。21番手で初日を終えると、「きょうはいいスタートが切れた。2回のセッションでいい進展があったので、とても満足している。きょうの成果を明日へ繋ぐことができると信じている」と述べ、2日目以降に期待を寄せている。

 「シーズン半ばからのF1参加だったが、いろいろな出来事があったし、あっという間に時間が過ぎてしまったので、もうシーズン最終戦のブラジルを迎えるということが信じられない」とF1のデビューシーズンについて語った山本左近は、午前のフリー走行こそトラブルフリーで23周を消化したが、午後のフリー走行では一転、オイル漏れのトラブルに見舞われて僅か9周に留まり最下位の29番手タイム。「僕のマシンのデータをたくさん集めることはできなかったが、明日に向けて頑張って準備を進めていきたいと思う」と、2日目以降の巻き返しを誓った。

 鈴木代表は、「きょうのフリー走行には満足している。フランクがまたいいタイムを出してくれて、トップ10に入ることができた。琢磨もきょうはいい仕事をした。左近のマシンにトラブルが発生したのは残念だったが、フランクがかなりの量のデータを集めているので、明日は大丈夫だと思う」と語っている。

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