SUPER AGURI F1チームは、現地時間2日、メルボルンのアルバートパーク・サーキット(1周5.303km)で行なわれたF1オーストラリアGPの決勝レースに臨み、佐藤琢磨はトップから2周遅れの12位(完走扱い)、井出有治は3周遅れの13位完走を果たした。チーム代表の鈴木亜久里氏が、F1参戦発表から目標に掲げてきた“2台揃っての完走”が3戦目で実現した。

 決勝レースはオープニングラップからクラッシュが相次ぎ、レース中にセーフティカーが4度導入される波乱の展開となった。

 21番グリッドスタートの佐藤はオープニングラップの混乱をかわし、12番手へ浮上。ルーベンス・バリチェッロ(Honda)やデビッド・クルサード(レッドブル)を後ろに従えて走行した。2回目のリ・スタート後、ピットスタートで最後尾から追い上げてきたジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)に抜かれ、ポジションを1つ下げたが、最初のピットストップまで13番手のポジションを守った。

 佐藤は決勝レース後にプレスリリースを通じ、ファイナルラップでピットに戻ったことを、「左フロントホイールに問題が発生して、レースの終わり近くにピットインしなければならなかったのは残念だった。その次の周回の終わりにもホイールに問題が生じた。今度は右フロントだった。それで、ピットレーンでのフィニッシュになってしまった。チームも本当に良く頑張ってくれたので、チェッカーフラッグを受けられなかったことに少しがっかりした。しかし、きょうはチームにとって素晴らしい1日だった」とコメント。

 チームメイトの井出も、オープニングラップで22番グリッドから16番手へポジションを上げた。その後、最後尾ながらも13位完走を果たした。井出はF1レースでの初完走に触れ、「きょうは、初めて琢磨と僕が一緒にフィニッシュできたレースだったので、そのことに関してはハッピーだ。しかし、他のドライバーに比べると、僕はまだ、とてもコンペティティブとは言えない。ドライビングスキルを磨き、次のレースのサーキットのことをできるだけ早く学びたい」と語った。

 また、鈴木氏は「本当にドラマチックなレースだった。僕たちのチームのクルマも含めて、いろいろな出来事があったが、チームの最初の目標だった2台揃っての完走を達成することができて嬉しい。小さな目標ではあったが、目標を達成できるというのはいい気分だ。ドライバーにとってもチームにとっても難しいレースだったと思う。頑張ってくれた全員に本当に感謝している」と決勝レースを振り返った。

コメント